ヨーロッパでは、EU加盟国を対象としたインフラ整備への取り組みのほか、フランスにおけるテリー報告、イギリス貿易産業省が94年末に発表した「イギリスにおける広帯域通信の網開発」と題したスーパーハイウェイ構想など先進主要国が個別にNIIを展開しようとしている。EUとしては、かねてから情報技術分野における国際競争力強化のための基盤整備が急務であるとして、フレームワークプログラムを策定し、その中で数々のプロジェクトを推進してきた。そのうち通信インフラ関係としては、ヨーロッパ全域にまたがるネットワーク構築を目的としたTEN(Trans
European Network)計画、あるいは統合広帯域通信網の構築によるヨーロッパの電気通信設備・サービス市場の統合を目指すRACE(Research
and Development in Advanced Communication Technology in Europe)が代表的なものである。一方、1993年12月にEC委員会が取りまとめた「成長、競争力、雇用に関する白書」における電気通信インフラ整備の重要性の指摘、またこれの具体化を提案した情報化社会に関するハイレベルグループ(ハンゲンマンEC産業政策担当委員長)がまとめた報告書、「ヨーロッパとグローバル情報化社会」によるヨーロッパ版スーパーハイウェイ構想がある。委員長の名前をとり「ハンゲマンレポート」とも称される同レポートは、